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✎理事長ブログ

2014年午年に思う

2014-01-15
ポルシェの跳ね馬
理事長の愛馬
利用者が作成した仔馬の群れ
プロスペクトガーデンに佇む名馬 
 今年は午年である。馬というと「人間万事塞翁が馬」という諺を思い浮かべる。この諺の中で、人間は「じんかん」と読み、日本で言うところの人間(にんげん)ではなく世間(せけん)の意味であり、塞翁とは城塞に住む翁(おきな)つまり老人を意味し、次のような中国の昔話に基づいている。
 昔、中国の北の地方に占い師の老人がいた。その北部には胡という異民族の国があり、国境は城塞で守られていた。ある時、老人のたった一頭の馬が城塞を超えて胡の国に逃げてしまった。近隣の人々は気の毒がって老人を慰めたが、老人は「この事は幸福をもたらすかも知れない」と元気であった。暫くすると、逃げ出した馬が胡の国の名馬をたくさん連れて戻ってきて、老人はとても裕福になった。近所の人がお祝いに行くと、老人は首を振って「この事が災いにならないとも限らない」と言った。その後、老人の息子が落馬して足の骨を折った。近所の人達がお見舞いに行くと、老人は「この事が幸福をもたらすかも知れない」と平然と言った。一年経った頃、胡の異民族が城塞を襲撃してきた。城塞近くの若者は全て戦にかりだされ、やっと、胡人から城塞を守ることはできたものの多くの若者は戦死した。しかし、老人の息子は落馬して足を負傷していたために戦いに行かず無事だった。
 つまり、「塞翁が馬」の諺とは、「世の中の事は万事が塞翁の馬のように全く予測ができない」という意味であると同時に、「世の中は、悪いことがあっても挫けずに、また、良い事があっても油断せずに過ごすことが肝要である」と私たちに戒めているようである。
 

 
 私の好きなポルシェのエンブレムも跳ね馬だ。このエンブレムの由来を記そう。ポルシェ博士は、第二次世界大戦中ヒットラーの銘を受けフォルクスワーゲン(フォルクス:国民、ワーゲン:車 であるから国民車という意味)ビートルを開発設計していた為に、戦後、戦争犯罪人として告発され、服役していたが、1948年、自由の身になると、シュツットガルト市で、ポルシェ356という車の生産を開始した。シュツットガルトの語源が「シュトーテンガルテン」で「雌馬の庭」という意味であり、ポルシェの跳ね馬のエンブレムはその車の発祥地の名前に由来している。シュツットガルトの語源が雌馬の庭であるから、「ポルシェの跳ね馬は雌馬である」というのが私の持論である。それにしても、気の強そうな跳ね馬である。私の毎日の足は1973年製のポルシェカレラRS。こちらは従順な跳ね馬である。
 

 
 施設では昨年からアートテラピーとして、2014年午年にかけて、馬づくりが行われてきた。施設には沢山の馬がいて、まるで「シュトーテンガルテン」のようだ。
 
 2014年の初夢は、「日本が東日本大震災を教訓にして、世界に先駆けて放射性廃棄物処理技術を完成し、原子力発電所の建設で世界を圧巻する」という嬉しい夢。初日の出を見ながら、「人間万事塞翁が馬」の諺のように、悪い事があっても挫けず良い方向に改善し、良い事があっても油断せずに心を広く持てるような午年になる事を祈願した。
 
平成26年1月 理事長 森田隆
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