呼吸器コラム⑰
「喘息は毎月通院が必要?―コントロール良好なら通院間隔は延ばせます」
近年、喘息治療は大きく進歩しています。
吸入ステロイド(ICS)と長時間作用性β2刺激薬(LABA)の併用療法、さらに長時間作用性抗コリン薬(LAMA)や生物学的製剤の導入により、喘息のコントロールは大きく改善しました。
この結果、喘息による死亡は大幅に減少し、発作頻度も低下しています。
■ なぜ通院間隔を延ばせるのか
現在の喘息管理では、症状だけでなく以下の指標を用いて客観的に評価します:
- ACT(Asthma Control Test)
- SGRQ(St. George’s Respiratory Questionnaire)
- FeNO(呼気一酸化窒素)
- 肺機能検査(PEFなど)
これらが安定している場合、**「コントロール良好」**と判断されます。
この状態では、ガイドライン上も定期受診間隔を延長することが可能とされています。
■ ガイドラインの考え方
Global Initiative for Asthma(GINA)では、
- コントロール良好な患者では
→ 3か月ごとのフォローアップが推奨される
とされています(GINA 2024)。
また、吸入治療が適切に継続されていれば、
短期間の受診間隔(毎月)と長めの間隔(2〜3か月)で、コントロールに有意差はないとする研究も報告されています。
■ 当院での方針
当院では、以下の条件を満たす患者様には
3か月ごとの通院を基本としています:
- 症状が安定している(咳・喘鳴・息苦しさがない)
- ACTスコアが良好
- FeNOや肺機能が安定
- 増悪(発作)がない状態が持続
一方で、以下の場合は早めの受診をお願いしています:
- 黄色〜緑色の痰が増えた(感染の可能性)
- 呼吸困難や喘鳴が出現
- 吸入薬の使用回数が増えた
- 発熱や全身状態の変化
■ 「毎月通院しないと悪くなる」は本当か?
結論として、
コントロール良好な喘息において、毎月通院が必須というエビデンスはありません。
重要なのは通院回数ではなく、
- 適切な吸入治療の継続
- 悪化時の早期対応
です。
■ まとめ
喘息は「頻繁に通院する病気」から、
「安定していれば日常生活を優先できる病気」へと変化しています。
当院では、患者様の生活負担を減らしながら、
安全に長期管理を行うことを重視しています。
喘息でお悩みの場合は、当院にご相談ください。
