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✎理事長ブログ

元日

2013-01-13
 2013年が明けたが、お目出度い気持ちになれないのは、昨年末からの選挙の騒々しさの所為か、或いは単に、年をとる事への無意識の心の抵抗かもしれない。2013年の元日の朝、1年9カ月前の東日本大震災の時に井戸水を煮沸して作った飲料水を入れたペットボトルを見ると緑色の藻が発生していた。水道水を沸かして、いつもの大好きなジャワロブスターを淹れながら、被災地で亡くなった友人に思いを寄せた。
 
 今年は巳年である。「巳」(み)という字は、胎児の形を表した象形文字で、蛇が冬眠から覚めて地上に這い出す姿を表していると言われ、「起こる、始まる、完成する」などの意味がある。また、蛇は脱皮することから「復活と再生」を連想させる。昨年末に誕生した自民党安倍政権が3年余りの冬眠から覚めて脱皮し、日本の復活と再生を目指して進む事を願ってやまない。
 
 古来より蛇は信仰の対象になっており、豊穣の神、天候の神などとして崇められてきた。祭祀や祀りごとの「祀」に「巳」が用いられているのは「祀」とは自然神を祀ることをいい、自然神の代表的な神格が巳(蛇)だったからである。「プロスペクトガーデンひたちなか」では、昨年末、アートテラピストの大山さんが手伝って、おじいちゃん、おばあちゃんが大きな蛇を作成したのもそんな理由からである。
 
 昔、私が3・4歳の子供の頃、冬の寒い日にはよく蛇売りの行商が来たのを覚えている。その頃、私の一番の仲良しは隣の家の80歳のおじいちゃんであった。朝起きるといつも隣のおじいさんに会いに行った。朝ごはんも一緒に食べた。おじいちゃんは旨いものはいつもとっておいてくれたものである。蛇売りの行商が来ると、おじいちゃんは蛇を(ウナギを捌くように)捌いてもらって、おじいちゃんと私で半分ずつ血を飲んで、おじいちゃんが、蛇の身を焼いて食べた。最初私は怖かったが、おじいちゃんは「蛇は栄養があるから、蛇の血を飲むと元気になって頭もよくなる。」と言って飲まされた。一回飲むとおいしいと思うようになった。私の祖先にはドラキュラはいないが(笑い)。一般的に、蛇は執念深いという意味に言われているが、蛇はまた、恩を忘れず、助けてくれた人には恩返しをするとも言われています。
 
 2013年元日の朝、那珂湊の私の家の隣に住んでいた大野さんのおじいちゃんを思いだしながら、愛車ポルシェスピードスターに乗って、ひたちなか海岸通りをドライブしながら、「プロスペクトガーデンひたちなか」のおじいちゃん、おばあちゃんに会いに行った。玄関では、おじいちゃん、おばあちゃんが作った「大蛇」が迎えてくれた。「恩返しの象徴」とも言われている大きな蛇とツーショットをしながら、「日本の復活と再生」そして「今年も健康で、みんな仲良く。」と元日の祈願をした。
 

森田記念会 理事長 森田隆
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