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✎理事長ブログ

平成24年度を迎える

2012-04-02
 震災から1年が経ったというのに、未だ震災の夢から抜け出せない。この先何年もこの夢を見続けるような気がする。連日の余震と福島原発事故終息の不透明さが、新年度になっても明るい夢を描かせてくれない一因と思っているが、それよりも、この国の進むべき方向が見えてこないのが一番の原因である。
 3月末になって、やっと災害補助金が交付され、特養さわの森では自家発電機を購入した。申請から1年近く経ってようやく補助が決まり、決まったと思ったら、年度内に(3月末までに)納入されないと交付金が出ないと言われ呆れてしまった。原発の事故に関しても、今回ほどの大きな原発事故では民間の電力会社一社ではとても賠償ができないのに、国は、経営と賠償を同じ組織が行うという1961年制定の原子力損害賠償法(原賠法)を根拠にした対応から抜け出せていない。東京電力が事故について「想定外」と繰り返したのも、原賠法に「異常に巨大な天災地変」の事故では事業者を免責するという規定があるのを意識したものと思われるが、政府は昨年国会で法律を見直すことを決めたものの、具体的なことは何ら協議されていないようである。東電の味方をするわけではないが、原発事故の対応に象徴されるように、この国の進むべき方向が定まらないのは国民にとって悲劇である。
 消費税の論議も然りである。政府は税と社会保障の一体改革などと言っているが、その全体像は示されていない。消費税は逆累進課税という議論があるが、2-30年前日本人が総中流を謳歌していた時代、黒人やプエルトリコからの移民等多くの低所得者層を抱えるアメリカでは消費税は約20%だった。当時ニューヘイブンに住んでいた私は決して裕福ではなかったが、消費税を意識したことはなかった。それは、スーパーに買い物に行っても、お総菜などの出来上がった料理を買えば約20%の消費税であったが、肉や野菜にはほとんど税がかかっていなかったと記憶している。また、直接税が多い裕福な地域(州)ではやや低めの消費税率であったため、ニューヨーク(税率約20%)で買い物をしてもコネチカット(税率14%)に送ってもらって受け取ると安く買い物ができた。日本においては、消費税についても国民にいろいろなことを説明すべきである。
 平成24年4月1日、森田記念会は「生活リハビリ」という素敵な花の開花宣言をします。ロボットスーツHALの導入、くもん学習療法の発展、そして、それらの成果を目に見えるようにするトポグラフィーの導入。リハビリロードも春の装いです。終の棲家である特養さわの森においても、くもん学習療法が盛り上がっています。
 新しい仲間も加わって、職員と心を一つに、親孝行に励もうと気持ちを新たにする新年度の始まりです。
 施設の桜が満開になるのが待ち遠しい。
 
平成24年4月1日 理事長
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