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✎理事長ブログ

2022年元旦に寄せて

2022-01-02
一昨年20201226日施設でコロナクラスターが発生しました。茨城県第一号のクラスターであったため、茨城県、ひたちなか市、ひたちなか保健所が一体となって対策の為、施設に押し寄せ、プロスペクトガーデンは一躍コロナの戦場と化してしまいました。茨城県ではまだコロナ感染患者が多くなかったため、施設の感染者(PCR陽性者)はすべて入院できましたが、クラスター発生後1週間で感染者は増え、入所者のほぼ半数は入院し、デイケアは閉鎖、施設は周囲からはまるで黴菌の巣窟のように思われ、職員も逃げ出していく有様でした。しばらく新規の利用者を獲得するのが困難で、利用者が少ない、寂しい日々が過ぎていきました。
 
それから1年が経ち、デイケアの利用者数はまだ少ないものの、入所者の数はコロナ前の状態に戻り、今年の元旦は静かに迎えています。残って頑張ってくれた職員の皆さんには本当に感謝しています。
 
年初に当たり昨年を思い出して、コロナクラスター感染は施設の収支には最悪でしたが、施設運営には悪い事ばかりではなく、良かった事も多かった事に気が付いています。良かった事の第一は、施設を愛する職員が残ってくれた事です。この一年、仕事が大変だという意見は多く聞かれましたが、職員間の愚痴は以前に比べて聞かれなくなった気がします。以前は「あの人はあまり仕事をしない」「仕事をしない人が自分より給料が多いのがおかしい」と言ったような職員間の苦情が多かった気がします。この一年コロナクラスターを経験して、施設を愛してくれる職員が残って、職員の気持ちが、施設を良くするにはどうするか、利用者に満足してもらう介護とは何かという点で纏まってきたからだと思っています。
次に良かった事は、少ない職員でも質を落とさずに利用者に喜んでもらえる介護をするにはどうしたら良いかという、効率良い介護に関する試みが職員の間で定着してきた事です。リハビリテーションにおいてその効果は顕著であり、以前のマンツーマン形式のリハ中心の時には、やれ「もっとマッサージをして欲しい」とか「もっと時間を長くして欲しい」とか要求型、与えられるリハのイメージで、利用者からのクレームが多くありましたが、集団リハを取り入れるようになってからは「皆で目標を決めて元気になる」といったイメージになり、たくさんの利用者から、「改善している」「悪くなっていない」「リハビリが楽しい」「どのくらい進歩したか分かるのが良い」という“自発的な言葉”を聞かれるようになりました。
 
コロナ禍においては"集まらない事"が良しとされ、リモートワークが定着し、オンラインでの会議、会合が日常的光景になりました。施設の入所者の面会もオンラインになり、それなりの効果が上がっていますが、その効用に気づかされる一方で、"やっぱりリアルが良いよなぁ"という本音を多く耳にする昨今でもあります。入所者の家族からも「実際に面会したい」という声も聞かれますが、まだまだコロナ禍は続きます。面会に関してはオンラインの効果も取り入れながら"遠くの家族との面会はオンラインを最大限に利用して""近くの家族やキーパーソンとの面会は、必要時のみ、感染対策をしてリアル面会"のようにしていきたいと考えています。

2022年もコロナ禍にあっては、利用者の利用開始時にコロナ抗原検査、PCR検査をきちんとして、施設内に感染が入らないようにすることが大切です。入ってしまえば、濃厚接触者が出て感染者が多くなり、クラスターの再現ですが、入所時に感染が分かれば、感染者を病院に送って、入所にかかわった職員のみを濃厚接触者として扱えば良いことになり、利用者は安全に保たれます。

2022年の年頭に当たり、今年の計画を考えています。
今年は「介護予防施設」を作ろうと思っています。若者はスポーツジムに行って運動できますが、もうすぐ介護対象年齢になるような高齢者はスポーツジムには行きにくいのが現状です。そこで、高齢者にふさわしいパワーリハビリ機器などを備え、コーヒー、紅茶だけでなく、高齢者が好む緑茶や栄養ドリンクもあるようなカフェや、好きな本がたくさん読めたり、脳トレゲームができるような施設を作って、いよいよ介護施設に入るまでの間、元気に生活してもらおうと考えています。皆さん、何かいいネーミングがあったら教えてください。また、この計画に参加して一緒に活動してくれる方を募集します。
 
年末、ある職員から、「理事長は暮れのボーナスを満額出すって言っていたけど、ずっと赤字が続いているのを知っていたので満額出るわけがないと思っていました。貰ってみたら、満額だったのでとても嬉しかった。有難うございます。」という言葉を聞いてとても嬉しかった。病院は病気を治して日常の生活に返してあげる処ですが、介護施設はその人の日常生活そのものを快適にしてあげる処です。介護施設で働く我々は毎日の生活を楽しめるようになりたいものです。今年は改めてその出発点にしましょう。年末の職員の嬉しい言葉を思い出しながら、今年も体に気を付けて頑張っていきます。宜しくお願いします。
 
202211日 理事長 森田隆
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